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黄昏の岸 暁の天 十二国記 読書感想

 行方不明になった麒麟を探す逃亡の将軍が天の意志に翻弄される、十二国記のメインストーリーの現状最終巻。

黄昏の岸 暁の天 十二国記 (新潮文庫)

黄昏の岸 暁の天 十二国記 (新潮文庫)

 

 

 他の巻は読みながら過去に読んだ時の情景を思い出しながら読めたのですが、この黄昏の岸~は頭の中からストーリーが抜け落ちているのか、ほぼ初見のような感覚で読めました。良いことのような気がするけども、それだけ印象に無かったということか。アニメでもやってないというのも大きいのかも。

 

今巻の主人公は泰国の女将軍李斎と登極二年を迎えた景王陽子。内乱によって王と麒麟を失った泰国で、逆賊によって反逆の首謀者の烙印を押された李斎。一縷の望みをもって麒麟と同じ蓬莱出身である陽子に助けを求める。その要求は慶国を滅ぼす可能性があると知って…というのが今回のあらすじ。もちろん李斎はずっと苦悩しているわけで、慶が滅びようとも自国の泰の民をなんとしても救いたいという何とも言い難い難しい状況なわけですが、その心情を理解した上で陽子はできるだけ泰も救いたいと手を差し伸ばす。本当に王として、人間として立派になった姿を見られて幸せです。

 

そしてその大きな助けになっているのが慶国の冢宰、浩瀚。前の風の万里 黎明の空ではほぼ名前しか登場しないが有能な人物として描かれていた彼が、慶国の内側を陽子の側近として守ってくれています。まぁなんと有能な事。冷静冷徹な面もあるかと思うと陽子の事情も理解し法を曲げて助けてくれる。情と理を使い分けている大人です。そんな彼が陽子を叱り、道理を説くシーンが一番の名言ですかね。人に信じてもらえるかというのは結局のところその人の為人の問題である、と。いやホント自分も襟を正そうと思いました。陽子と同じように襲ったもの、暴漢の言い分も納得できると思ってしまったところにこの叱りっぷり。見事です。

 

そして今回のテーマが「天の意志」。この十二国記世界には世界を作りルールを作った「天」と呼ばれる神が実在するわけですが、その天はルールは作り、その道から外れると罰は与えますが、難民だったり偽王によって悪政を敷かれて困窮する民は救ってくれません。民を助けるのはあくまでその国の王であり、その王がどんな窮地になったり暴君になろうとも、手を差し伸べてくれる存在ではない。天は国をつくり、その箱庭を眺めるだけ。民は神のおもちゃなのか…。そんな不条理な存在の意義・意志を問うのが今作なわけですが、それでも謎しか残らずかなりもやもや。

 

冒頭でも書きましたがメインストーリーはここで一旦終わっています。各国の協力によって助けられた泰麒。そして李斎は泰国を取り戻す為に泰国に戻ります。二人は泰国を救う事はできるのか、泰王はどこに消えてしまったのか、十二国が難事に対して一致団結して協力できる可能性がでてきたという盛り上がる所で今巻は終わり。そしてこの続きが出ぬまま十五年以上の時が経過したわけで。外伝はちょこちょこ出たりしていますが本編も気長に待ち続けます。ずっと待ち続けています。

 

参考

十二国記 - Wikipedia

十二国記 | NHKアニメワールド

追いかけておけば幸せになるかもしれないリンク

小野不由美「十二国記」/新潮社公式 (@12koku_shincho) | Twitter

小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト|新潮社