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華胥の幽夢 十二国記 読書感想

 王達の願い、理想、葛藤が詰まった十二国記の短編集。

華胥の幽夢 十二国記 (新潮文庫)

華胥の幽夢 十二国記 (新潮文庫)

 

 

 十二国記初の短編集。表題作だけ少し長いですがどれもサクッと読めます。世界のあり方、十二国記世界の解き明かしというよりは、人の、王の、心の話が多いです。

いかに麒麟が選ぶ天意で選ばれた王だとしても、悩みは尽きないわけで。その王達の苦悩が見て取れるので、王としてだけではなくその人間の部分が見えるのが面白い。

 

物語は5篇。

・冬栄-泰麒と泰王の役目についての話。漣国に行くことで自分の立ち位置を理解していく泰麒がかわいい。しかしその後の悲劇を思うと切なくて。

 

・乗月-王を弑した月渓の苦悩。そして人は変わる事ができるという希望に気づかせてもらう話。今なら祥瓊と穏やかに話す事はできるのだろうけども、仮王として立つ事で自国の民を優先するという決意が泣かせる。

 

・書簡-陽子と楽俊の交流。お互いに相手を心配させまいと色々悩みはあるけどそれを出さない気遣いあう二人が素敵。真の友との交流はこういう事なんだろうなぁと心が暖かく。

 

・華胥-表題作。ちょっとミステリー。悪王が行う悪政を批判するのは簡単だが、ではその逆をやるだけで国は豊かになるのか、正しいかを問うてくる話。これは今の日本に置き換えてすごく考える機会に。

 

・帰山-帰る所があるからこそ、安心して世界を回る利広の話。長生きしてるからこそ見える世界があり、経験がある。利広から見た慶の評価が自分の事のように嬉しい。二人の邂逅はあるのだろうか。

 

この中で一番好きなのは「書簡」。楽俊のひととなりを再確認でき、やっぱりこのネズミは良いやつだなぁと。大学卒業後の進路は不明みたいだけど、やっぱり慶に来て官吏として陽子を支えてほしいなぁと思う。しかしそんな未来の姿を見れる日は来るのだろうか。 

 

参考

十二国記 - Wikipedia

十二国記 | NHKアニメワールド

追いかけておけば幸せになるかもしれないリンク

小野不由美「十二国記」/新潮社公式 (@12koku_shincho) | Twitter

小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト|新潮社